H NURSERY

H NURSERY / H認定こども園・子育て支援センター

園児増員に対応するため既存幼稚園の園舎を増築するとともに、隣接する敷地に小規模保育室と地域に開く子育て支援センターを新築した。
田園風景の中に立つ既存園舎と今回建築する2棟の建物は、広い園庭を囲んでコの字に配置した。既存園舎よりも建物の高さを抑えることで圧迫感を軽減し、施設全体が群として成るよう配慮した。各建物にはデッキスペースを設け、デッキを介して室内からの賑わいが中央の園庭に自然と溢れだすよう計画した。

設計監理協働:みなこ建築設計事務所
構造設計:ハシゴタカ建築設計事務所
設備設計:森村設計
施工:横尾建設株式会社
竣工:2018年3月
面積:保育棟 264㎡ / 小規模保育棟 238㎡
用途:幼保連携型認定保育園

 

 

■保育棟

<様々な場所を走り回れる行き止まりのない円環構造>

遊戯室と保育室をまたぐように設けたキャットウォーク「そらのみち」が空間を立体的につなげ、限られたスペースに豊かな動きを与える。走ったり隠れたり下を覗いたり、限られた広さの中で思いっきり体を動かし、子供たちに遊びの選択肢と発見を与える空間とした。<大らかな空間の中にまとめた小さな機能空間>保育室の一角に天井の低いスペースをつくり、手洗い・ロッカーなどの機能をまとめまた。大空間とつながりながらも使いやすく管理しやすい機能的な生活空間とした。窓際には小上がりを設け、秘密基地のような籠れる空間を作った。 


■小規模保育事業所・子育て支援センター

<日常動線と遊びの場としてのとおりにわ>

小規模保育事業所と子育て支援センターの2室の間に外部空間「とおりにわ」を設けた。「とおりにわ」に面する居室のサッシを開放すると、2棟がとおりにわを介して繋がることができ、子供たちの遊び場となる。この「とおりにわ」をメインの出入口とし、日常動線に組み込んだ。また建物裏の畑へ通り抜けられるようにし、芋掘りの際には作業場としても使えるよう考えた。外部に張り出すように配置されたカフェからは、子育て支援・小規模保育・とおりにわが見通せ、子供を見守りながら保護者や地域の方が憩える場所となる。